第一章はこちら から... 第二章はこちら から... 第三章はこちら から... 2007.12.18更新
「モールドプロテクト大作戦」の巻 いやはや、ここ最近のワケの分からん忙しさはどうした事か・・・・・・・この忙しさと時間の無さは、まるで超売れっ子の人気ルアービルダーみたいです。(←大間違いです。実際は人一倍要領が悪いクセに、一丁前にコダワリだけは捨てられないヘンクツルアービルダーなだけです。苦笑) HPの更新がすっかり滞ってしまってゴメンナサイ。
さてさて、第3章まで進んだはいいけど、何時までたっても終わらないメイキングストーリー・・・・・こんな訳の分からないオタク話に、半年以上も付き合わされている読者の方々(ホントにいるのか?)の気持ちになってみろ~!と自分の首を絞めてやりたいところですが、出来れば第4章をもって完結したいと思っておりますので(ホントか?)、もうしばらくお付き合いくださいませ。 今回は製品化に向けて最後の大詰めのお話です。
それは「モールドの耐久性」の問題。 というのも、開発段階で多数のプロトモデルを作るのですが、プロトモデルを作りまくっているうちにモールドの耐久性に疑問を頂くようになったんです。 成型を重ねるにつれどんどん痛んでいくモールド・・・・こりゃあ、なんとかせんと!と、改善に乗り出すことにしました。 そこで、一体どれぐらい成型するとモールドが壊れてしまうか検証してみたところ、決まってルアーを40個ほど成型したあたりでモールドが使いものにならなくなってしまいます。一つのモールドからたったの40個しか作れないのであれば、製品化なんて全く夢物語の話、これはなんとかしなければなりません。
原因は明白で、Nフォームのベース素材となる発泡ウレタン樹脂の剥離性がすこぶる悪く、脱型する際にモールドに物凄い負担を掛けてしまうという事。 要するに、成型したパーツがモールドにくっついてしまい、ルアーが抜けなくなってしまうんですね。それを無理矢理引っぺがそうとするとモールドが壊れてしまいます。特にウチのルアーの場合はエラとかウロコとかデコボコが激しい事もあってモールドへのくっつきは深刻です。
どうやってモールドの寿命を延ばすか・・・・・・それが製品化の鍵を握っていると言っても過言ではありませんでした。
で、例によって色々と試してみることに・・・・。
まずは、シリコンモールド成型の基本中の基本とも言える、離型剤を使った方法。 成型する前に、市販の離型剤をモールド表面に吹き付けてやる事によって型離れを良くし、モールド表面を保護してやる方法です。 で、早速試してみると・・・・・・これは確かに効果がありました。 しかし、その後が大問題!!
というのも、離型剤を吹き付けてやると確かに型離れは良くなるんですが、その後の塗装工程で塗料が乗らなくなってしまう事が判明。 そりゃそうです・・・・・ルアーの表面に自らシリコン(もしくは油)の膜を作ってやるようなモンですから、そりゃ塗装が乗らなくて当然です。 そんなヌルヌルのパーツに無理矢理コーティングなんてしようものなら、もうコーティングが飛びまくりの弾きまくりで、とんでもない事になってしまいます。(泣)
そこで、お次は「ペインタブルタイプ」と言って、離型した後にペイント可能とうたっている離型剤を試してみました。 しかしこれもNG。 確かに謳い文句通りペイントはできるのですが、使っているうちに・・・・・脱皮するやんっ?!(泣) なんと、使っているうちにペイントがペリペリと剥がれていきます。 要はペインタブル(塗装可能)って言っても単純に塗料が乗りますと言うだけの話で、ルアーみたいに過酷な条件下で使われるものには全く用を成さないものでした。
どうやって塗料の食い付きを良くするか・・・・・説明書を読んでも、インターネットを調べてみても、書かれていることは全て同じ・・・・・「離型した後に塗料の食い付きを良くするためには、パーツを洗浄して離型剤を除去しましょう・・・・」と、ただそれのみ。 インターネットを調べる限りでは、専用クリーナーと言う優れものがあるらしいのですが、カナダでは全く手に入らず、しょうがないので台所のクレンザーや食器用洗剤(笑)をフル動員して、離型剤除去を試みてみます。
洗剤入りのぬるま湯にルアーを浸し、歯ブラシでゴシゴシしては、塗装テストの繰り返し・・・・・でも、いくらゴシゴシしても、洗剤の濃度を上げても、洗剤の種類を変えても(ちなみにウォルマートに売っている洗剤は全て試しました)、離型剤の除去は困難で、一向に塗料ハジキは収まりません。 しまいには殆どヤケクソで、サラダオイルとかオリーブオイルとか食器洗剤で落とせるものなら洗浄も可能なのではないか?と、離型剤代わりに試してみますが、これもダメ。 そして、最後の手段でシンナーにドブ漬けしてみるも、これもあまり効果なし。(しかも樹脂表面が変質して別の問題が発生)
それらの結果から、おそらく発泡ウレタンが硬化していく際に、ウレタン表面が微妙に離型剤を含んだ状態で硬化してしまう為、完全洗浄が出来ないのではないか?との仮設を立てました。 もし本当にそうなのであれば、いくら一生懸命洗ったところで完全除去なんて無理な話です。 そのうちあまりにも洗剤や溶剤を使いすぎて手がガサガサのボロボロになってしまいました。(お陰でどの洗剤が一番良く落ちるか洗剤博士のようになってしまいました。笑)
一向に解決しないこの問題・・・・・・もう頭を抱えるばかりです。 こりゃ40個ごとにモールドを作り変えるしかないか?本気でそう覚悟しました。 そしたらルアーの単価は一体幾らになるんだろう?考えただけで恐ろしくなります。
でも、そんなある日、ふとひらめいたんです。 自分は固定観念に囚われていなかったか?と言う事に・・・・。 固定観念に縛られ、そこからしか発想が出来なくなっている自分に気がつき恥ずかしくなりました。 もちろん、基本は基本でとても大切な事ですが、それがダメだったから諦めるというのでは永遠に次のステップに進む事は出来ないでしょう。 なにしろ諦めの悪さだけは天下一品の僕・・・・・発想の原点を変え、自分なりの方法を試してみる事にしました。
今まで失敗した方法は、剥離が悪いモノを剥離させてやる為に、更に剥離しやすいモノ(この場合は離型剤や油)を塗って剥離させてやるという考え方です。言ってみれば、力に対して力で対抗しているようなもの。 そうじゃなくて、力に力で対抗するのではなく、力を受け流す事で対抗したらどうなるのか?と考えました。
発想を逆転させて色々と試してみます。 またまたトライ・アンド・エラーの日々が続きます。
そして僕が最終的にたどり着いた方法・・・・・・ヒントは実に身近なところに転がっていたのでした。
モールドを塗っちまえばええやんっ!
そう、その方法とは成型前のモールドを塗装し、シリコン表面に塗膜の剥離層を作ってモールドを保護してやるという方法。 何をやっても上手く行かずヤケクソでモールドを塗ってみたところ、これがまた驚くぐらい素晴らしい効果がある事が分かったんです。
灯台元暗しとはまさにこの事・・・・・・早速テストしてみると、劇的にモールドの寿命が延びることが分かりました。 ホント、今までの苦労は一体何だったのか?と思えるほど、すいすいと成型できます。 そして、この方法の更なる利点は、成型工程に離型剤が一切介在しないため、塗料の食いつきがバツグンに良くなるんですね。これは塗装の耐久性にも直結します。 「シリコン塗装テク」恐るべし。(笑) 何時もながらのヤケクソテクですが、まぁ、目的さえ達成できればOKです。(爆)
さてさて、モールドの問題は無事に解決しました。 もう成型はバッチリ!・・・・・のはずだったのですが、一難去ってまた一難、またまたお次の問題が・・・・。 ホントにもう次から次にまたかよ?!と言う感じです。
そして、その問題とはまたもや「泡」!
悪夢の再来です。(詳しくは第3章 を参考にして下さい) ホント、「泡」に泣かされっぱなしの僕の人生・・・・・バブル経済の恩恵は全く受けていないクセに、正真正銘のマジ泡にはとことん悩まされっぱなしの僕。 次回は「泡との格闘記」です!!(またかよ!?)
つづく・・・・・・
![]() モールドの耐久性テストや度重なる改良作業で殉職したモールド君達の一部です。 これらの犠牲があってルアーは完成に近づきます。 必要な犠牲とは言え、一体何十キロのシリコンを使ったんでしょうか・・・・汗 マジでアンタレスDCが何台も買えますぜ。(笑)
追伸 実はこの「シリコン塗装テク」、ホントは公開しようかどうしようかかなり迷ったんですが(ケツの穴が小さいんですよね~・・・・苦笑)、たぶん僕と同じような問題で、発泡ウレタン成型で悩んでいらっしゃる方も多いのではないかという思いに至り、公開させて頂く事にしました。 まぁ、大したアイデアではないかもしれませんが、善意ある方に役立てて頂ければと願っております。じゃんじゃん面白いルアーを作ってくださいね~!
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ビーツァの開発を進めていると、次第にある問題が浮き彫りになってきました。